2010年03月13日

有給休暇 4.基本的な考え方についておさらい

有給休暇について、少しずつお話を進めています。
これまでのことについて、基本的な考え方をおさらいします。


1.法律で付与が保障されています

有給休暇は、短時間勤務の雇用形態でない限り、
6ヶ月間継続勤務して勤務日の8割以上出勤した場合には、
どなたにも付与されます。
短時間の場合は勤務時間に応じて有給休暇の日数が決まります。
計算方法も法の定めがあります。

目 ときどき、「うちの会社、有給休暇がないんです」という方がおられますが、
それは残念ながら使用者の認識が誤っていることになります。
まずは、総務や人事の担当者や上司に相談してみて、
取得できるよう円満かつ前向きに話を進めてみましょう!

⇒労基署に訴えるだけが手段じゃないと私は思いますよ。



2.有給休暇は、使用者(上司)の承認を持って初めて発生するものではない

本来、有給休暇はご本人の勤続年数と出勤率(有給休暇付与日前の1年間をみます)によって
付与日数が決まっているので、付与自体に関して上司の承認は必要ありません。
いいかえると、承認されて初めて有給休暇が発生するわけではありません。

それでは、労働者はいつでも好きな時に有休をとれるのでしょうか?



3.いつでも必ず労働者が有給休暇をとりたい日にとれるわけではない

有給休暇の取得日数はすでに法律で定められているところですが、
労働者が請求した日●月●日に取得されると、
会社の業務にどうしても支障をきたして困る場合には
「とるな!」と言えることとなっています。(時季変更権)
それでは、労働者が指定した●月●日ではなく、
▲月▲日だったらいいから、▲月▲日に変更して下さい、などと言う必要は
ないとされています。

ただし、いつもいてもらわないと困るから結果的に有給はとらないでほしいなどというと、
取得を抑制することとなって不利益な取り扱いとみなされますから、注意が必要です。

目 使用者が唯一言えるのは、労働者に有給休暇を請求された日が
会社の業務にどうしても支障が出る場合の、「NO!」だけです。
付与日数や付与自体は法律で決められています。

⇒しかし、働いていればいつ休むべきではないかくらいはよくわかるはずで、
その辺は本人と上司がいい関係を築いて、働く時はめいいっぱい働き、
時々は休めるくらいの環境を作るのが理想ですよねー…
そのようなレベルの高い絵にかいたような理想が実現すればいいのですが。
本人も上司も理想を意識してがんばりましょう!(としか言えない)



5.残った有給はどうなるのか?(これからの課題)

ここが一番、日本の有給休暇の制度の中で課題があるところです。
有給休暇の時効は、一般的に2年とされています。
(ただし、学説によると、1年で付与しなければならないとする見解もあるようです。)
次年へ繰り越しとなっても、そのまた次の年になるとどうしても無効となってしまします。

目 無効となってしまうのは、日本の有給休暇の制度は、
具体的に取得するタイミングが、労働者の意思にゆだねられているために、
結果的になかなか取得できない状況となっているのかもしれません。

有給休暇の取得理由は、労働者の自由であって、そうであるからには、
労働者の請求によるとされるべきなのでしょう。
しかし、それが取れない現状があるため、やはり手段を考えなければならなくなるわけで、そこで

目 使用者が日付を指定して、一部の有給休暇を与えることが認められています(計画付与)。

目 また、今年4月からは、会社によって使用者と労働者の代表者との間での協定を結ぶことによって
1時間単位の有給休暇を取得できることとなります。


ヨーロッパなどでは、有給休暇は必ず消化させなければならないとの方の定めがある国もあり、
その辺は温度差を感じるところです。



6.今日のおまけ

法律で決まっているじゃなんじゃといっても、
会社の社長さんからしたら、
「働きもせず、給与を与えるわけにはいかんのじゃー!」ちっ(怒った顔)
とおっしゃるかもしれません。
確かに、そう思われるお気持ちは想像できます。

有給休暇の最低付与日数が現行の10日となったのは昭和62年のことで、
それまでは1年間継続勤務した者に6日とされていました。
時代を経てこの権利が徐々に拡大されたことを感じます。

先日、最終回を迎えた山崎豊子原作のドラマ『不毛地帯』で
大門社長の退任を求める壹岐正が、
「社長、これからは組織の時代です。」
と、きっぱり言い放ち、説得したのがとても印象的で、
有給休暇についても(他のことにしてもだけど)
組織で動く体制によって、権利も実現させるということかなと
思ったりしました。

今日は考えていたよりたくさん書いてしまいました。
もっと必要なことだけを簡単にまとめられたらと思うのですが。


次回は、有休の国際比較について触れます。
私も勉強しながら。。



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posted by みかん at 00:00| 兵庫 ☁| 社会保険労務士 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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